中古マンション購入

平均相場は1m2『361円』コスト高を避ける管理費修繕積立金の目安

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大規模修繕工事

中古マンションの購入を具体的に検討していくと、管理費・修繕積立金の平均相場が気になってくるものです。

住宅ローンが終わっても、管理費・修繕積立金はランニングコストとして続いていくので、老後不安の一因にもなりがちです。

そんな時には、判断基準の目安として直近の成約データと比較してみましょう。

他にも指標となる基準はありますが、実際の平均相場を確認する上では成約データが参考になります。

1.首都圏の平均相場は1㎡あたり361円(管理費・修繕見立金合計)

【2021年5月公表】レインズ成約平均㎡相場単価

東日本不動産流通機構2020年度データよりグラフ化したもの【2021年5月公表】

上のグラフは、2020年度に東日本不動産流通機構を通して成約した首都圏中古マンションの、管理費・修繕積立金合計の1㎡あたりの平均単価です。

首都圏合計では、平均単価が1㎡あたり361円という相場になっています。

また、東京都区部の平均単価は首都圏平均単価より52円高く、1㎡あたり413円という相場です。

2.首都圏の月額平均相場は23,551円(管理費・修繕見立金合計)

【2021年5月公表】レインズ成約平均月額相場

東日本不動産流通機構2020年度データよりグラフ化したもの【2021年5月公表】

月額の平均でわかるのが上のグラフです。

首都圏合計では月額が23,551円という相場になっています。

東京都区部の平均月額は首都圏平均月額より1,158円高い24,709円です。

これらのデータはあくまで平均値であることを踏まえ、ご自身が検討している物件を比べる際には、築年数や戸数などの個別性も考慮しましょう。

3.築年数別平均相場で比較すると、築10年以内に特徴がある

【2021年5月公表】レインズ築年別平均相場成約単価

東日本不動産流通機構2020年度データよりグラフ化したもの【2021年5月公表】

中古マンションの多くが段階増額積立方式

上記のグラフは、築年数別での平均単価です。

現在流通している中古マンションでは、修繕積立金は築年数によって、段階的に値上げされる『段階増額積立方式』を採用しているマンションが大半です。

この『段階増額積立方式』は文字通り、段階的に修繕積立金を値上げする方式です。

築10年以内の修繕積立金が低い理由

通常の新築マンションでは、売主ディベロッパーの販売戦略上、1回目の大規模修繕工事がはじまる前の築10年程度までは、修繕積立金が低く設定されている事が大半です。

築浅の場合、その様な事情を踏まえて、上記グラフの築年数別成約平均単価別でも比較しましょう。

築20年以上の修繕積立金はそんなに上がらない?

また上記のグラフでは築20年以降の修繕積立金の値上げ幅がそれほど大きくありません。

しかし、上の説明通り、『段階増額積立方式』を採用しているマンションが大半です。

実際には

  • 修繕費が足りていて値上げが低いケース
  • 値上げが難しくて値上げできていないケース
  • 平均値より大きく値上げされているケース

が混在していて、バラつきがあると考えられます。

4.戸数別平均相場で比較すると戸数が少ないほど負担が重い 

【2021年5月公表】レインズ戸数別平均相場成約単価

東日本不動産流通機構2020年度データよりグラフ化したもの【2021年5月公表】

上記のグラフは、マンション戸数別にまとめられたデータです。

グラフが示す様に、マンションの戸数は管理費・修繕積立金の単価にかなり影響します。

なぜなら、50戸未満のマンションと200戸以上のマンションでは、管理費・修繕積立金の頭割りが大きく異なるからです。

当然戸数の少ない方が1世帯あたりの負担額が重く、戸数が少なくなるほど、㎡単価は上がります。

50戸未満の単価幅は大きい

上記のデータでは戸数の幅が一律でないことが盲点です。

150戸~199戸の場合、上限と下限では、その差は約4分3であり、100戸~149戸では3分の2、50戸~99戸では約2分の1になります。

また、50戸未満のデータでは、最大戸数である49戸のマンションと、10戸未満のマンションでは5分の1以下になり、他の戸数データより、大きな幅があるという点を押さえましょう。

また、100戸以上からは修繕積立金の極端な変化がないことがわかります。

5.管理費・修繕積立金が平均相場より安い=資産性が高いとは言えない

不動産は個別要因の影響が強いため、平均相場はあくまでも目安にすぎません。

あまり、そこばかりを注目すると、まとまった土地上に建つ、規模感のあるマンションが有利になります。

そうなると、駅距離が離れている場所に、規模感のあるマンションが多くなりがちで、駅距離のある大規模マンションが資産性が高いかというと、現在の人気トレンドである駅近とは異なることを理解する必要があります。

また大規模という事は売却時に同じマンションが売りに出されている確率も高まり、ライバルも多いという事にもなります。

6.その他、管理費・修繕積立金が高くなりやすい条件

その他にも下記の条件に当てはまるマンションは、当てはまらないマンションより管理費、修繕積立金の平均相場が高くなります。

  • 立体駐車場がある
  • 豪華な共用施設がある(ジム、温泉、プール)
  • タワーマンション

1,2はランニングコストが高くなる代表的な共用設備になります。

常に稼働していて、ランニングコスト以上の収益を生んでいればよいのですが、利用者が少なかったり、収益を生まない場合は、維持費に苦慮するケースがあるのも実情です。

また、タワーマンションも規模により、大規模修繕時に足場がかけられなかったり、工期も長くなりがちで一般のマンションより修繕費用が多額になるケースが多いでしょう。

6.最後に 

納得できる理由があるか?

地域によってはまとまった土地が少なく、希少性が高かったり、建物のつくりや仕様によってはランニングコストが高くなるマンションもあります。

大切な事は、ご自身の検討物件が、成約単価と照らし合わせて高い場合には、その理由がわかり、納得できるかどうかという事です。

中古マンションを購入するうえで、管理費・修繕積立金を検討することは、マンションの持続性を図る意味に於いて重要な検討項目になるのは間違いありません。

ですが、売却時を想定した資産性も同時に考慮し、バランスを保って検討してみて下さい。

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